企業の副業許可と、労働者の副業希望のギャップについて

 

厚生労働省の外郭団体である独立行政法人労働政策研究・研修機構が、2018年9月11日に、プレスリリースした『多様な働き方の進展と人材マネジメントの在り方に関する調査(企業調査・労働者調査)』(PDF:932KB)によると、以下の調査結果が記載されています(以下、抜粋)。

 

『企業調査では、副業・兼業に対する意向について、「副業・兼業の許可する予定はない」が 75.8%
ともっとも割合が高く、「副業・兼業を許可している」は 11.2%、「副業・兼業の許可を検討
している」が 8.4%である。』

 

つまり、その他も含めると、約7割が、許可予定はないそうです。

『企業の副業・兼業を許可しない理由(複数回答)は、「過重労働となり、本業に支障をきたすため」が 82.7%ともっとも多く、次いで、「労働時間の管理・把握が困難になる」(45.3%)、「職場の他の従業員の業務負担が増大する懸念があるため」(35.2%)などとなっている。』

 

一方で、、、

 

『労働者調査で、今後、5 年先を見据えて副業・兼業の実施に積極的な者(「新しくはじめたい」「機会・時間を増やしたい」と回答した者)は 37.0%と 4 割弱を占めている。副業・兼業を望む理由(3 つまでの複数回答)は、「収入を増やしたいから」が 85.1%でもっとも多く、次いで、「自分が活躍できる場を広げたいから」(53.5%)、「様々な分野における人脈を構築したいから」(41.7%)、「組織外の知識や技術を積極的に取り込むため(オープン・イノベーションを重視)」(36.6%)などとなっている。』

 

政府は、2018年1月にガイドラインやモデルとなる就業規則を策定し、原則として副業や兼業を認めるよう企業に求めていますが、上記のことから、これから解決しなければならない課題は山積していますよね。

 

ただ、過去リーマンショック後に、大企業でも、一時的な業績悪化に対応すべく副業を認めていたケースもありました。今後、しばらくは好景気が続くと予想されますが、来る2020年の東京オリンピック開催後、その後に懸念されている景気減退の場面は、何らかの社会的な変化が生じるのかもしれません。